マンガで読む。巨匠で読む。「伊勢物語」 「伊勢物語』の構成は歌と散文とに分けられるが、全てが歌であり散文である、とも言えるのではなかろうか。 主人公、昔男、すなわち在五中将、実在の六歌仙の一人、つまり在原業平となるが、業平のようで、業平でない。その背中に、貴方と、君と、僕を乗せて人の無常を荷物として、恋路を旅する理想の男として『伊勢物語』の世界を駆け抜ける。 『古今和歌集』仮名序の業平の歌の評、...