內容簡介
白い磁土にやや青みを帯びた釉薬が掛かったものを「青白磁(せいはくじ)」という。「青磁」のように青みの強いもの、あるいは「白磁」のように無色透明のものまで、その発色の差は様々で分類が難しい。
日本では、1970年代から白磁の一つとして捉えるという考え方が広まり、その頃から「青白磁」と称するようになった。
それ以前は、その清涼な姿から「影青(いんちん)」と呼ばれていた。
20世紀初頭に、中国・宋代から元代の景徳鎮窯で作られた青白磁の存在が知られるようになり、
日本で初めてその研究結果を紹介したのが陶磁史研究家の小山冨士夫であった。
小山は『影青集記』の冒頭で「清冽な山水のような影青」とその魅力を称え、
その文章に感動して青白磁に取り組み始めたのが、後に「白磁・青白磁」の人間国宝となった塚本快示だった。
塚本が目指した凛とした薄作りのフォルムに彫り文様が施された端正な青白磁の姿は、
久保田厚子のモダンで洗練された器、ピーター・ハーモンの日本の美を彫りで意匠化した模様など、
現代作家の様々な青白磁の表現に受け継がれていく。
一方、青白磁の持つ鋭さやシャープさではなく、フォルムの持つ面白さを釉薬で覆って際立たせる鈴木治が登場すると、
青白磁を新しい解釈で制作する作家が次々に現れるようになる。
吉川充は、型成形による独自のユニークなかたちを強調し、
加藤委は、制作中の磁土の躍動する一瞬を切り取ったかのような、今までにない荒々しい青白磁の姿を提示する。
青磁と白磁の間に挟まれて、今までほとんど注目されることがなかった青白磁。
しかし、白き磁土とそれを覆う青き釉薬が調和することで、限りない表現の可能性が広がっている。